こんにちは、YMYゲーム開発部です!
今回は『夢酔のバーテンダー』のストーリー制作について、シナリオ担当の視点からお話しします。
Part1では、作品のコンセプトや世界観についてお届けします!
今回の制作のポイント
作品を作るときにおもに考えたこと、苦労したこと、こだわったポイントはこちらになります。
- AIのお題から始まった制作経緯
ノベルゲーム制作の感覚をつかむための挑戦 - 「心残りを酌みあげて」というテーマ
向き合えなかった人生を歩み直す主人公の物語 - 夢の中のような違和感の表現
受け入れる部分と気づかせる部分の塩梅調整
そもそもなんで『夢酔のバーテンダー』を作ろうと思ったの?
正直に言うと、ノベルゲームを作る感覚をつかむための練習としてスタートしたんです。
AIにランダムでお題を出してもらって、その中からピックアップして制作を始めました。
でも作っていくうちに、「これは絶対に伝えたいテーマがある作品にしたい」って思うようになったんですよね。
「心残りを酌みあげて」に込めた想い
作品のテーマとして掲げているのが「心残りを酌みあげて」という、何とも抽象的な言葉です。
これには、自分の中にある「やりたい」「こうしたかった」「こうすればよかった」という心残りを、無視せずに向き合ってほしいという想いを込めました。
人間なら誰しも心残りってあるじゃないですか。
中にはもう取り返しのつかないものもあると思います。
けれど、自分が何を心残りに思っているのか、何を後悔してきたのかにちょっと目を向けるだけで、生きていく上での心持ちはきっと変わるんじゃないかなって。
この物語の主人公は「向き合えなかった」人生を歩んできた人です。
でも今際の際で「向き合えた」人生を歩み直しているとも言えます。
それが幸せなのか、あるいは寂しいことなのかは解釈次第ですが、少なくともプレイしてくださった皆さんにとって、「自分が本当にやりたかったことはなんだったかな」と考えるきっかけになれば嬉しいです。
タイトルに込めた意味
「夢酔のバーテンダー」というタイトルには、お酒に酔っている、夢で酔っている、夢に酔っている、そんな意味を込めました。
主人公はお酒に弱いので酔いやすいんです。夢の中でも2人目で酔う場面があったり。
それから、いつかやりたかったという「バーテンダー」という夢に、無意識ながらも固執して心酔している部分があるんですよね。
なんでバーが舞台なの?
これは結構シンプルな理由で、「カクテル言葉がおしゃれだから使ってみたい!」という憧れのようなものがまずありました(笑)。
それと、実際にバーテンダー経験のある方がチームにいたので、より細かい描写ができるかなという側面もあって、バーという舞台を選びました。
実際に働いていた方の話を聞くと、想像とは違う部分もたくさんあって。
会議をする中でそこが面白いなと感じたので、今回は敢えて「本当のバーテンダーはそんなことをしない/考えない」という部分を残して違和感を楽しんでいただく方針にしました。
うまく表現できているか不安ですが、楽しんでいただけると幸いです。
ゲームならではの表現で意識したこと
違和感をちりばめる際に、「どこで違和感を覚えさせ、どこを受け入れさせるか」という塩梅はめちゃくちゃ意識してます。
夢の中って、目が覚めてみれば絶対にありえないことなのに、なぜか自然に受け入れてしまっている部分がありますよね。
その一方で、本来なら何でもまかり通るはずの夢の世界なのに、ふと「これはおかしい!」と気づく瞬間もある。
そんな「夢の中」のような不思議な感覚を表現できたらいいなという気持ちを片隅に置きながら執筆していました。
今回は作品のコンセプトや世界観についてお話ししました。
次回Part2では、実際の執筆フローや制作の裏側について詳しくお届けします。
お楽しみに!
